宿題

小学生のころ、宿題を出されるのが大嫌いだった。5年生のころには意図的に提出しなかったこともあり、親が授業参観の時に「宿題をやってきてもらわないと困る」と言われたそうである。 これはなぜかと言うと、家に帰って私にはピアノの練習をしなければなら…

自宅のピアノ

家にピアノがあることは私にとって基本的なことである。それは私がこの楽器を演奏することに関係した仕事をしているからである。 今までいろいろなピアノを弾いてきた。昔は中流家庭には価格が高く、我が家も月賦(古い言葉)で買ったものだが、高校に入るこ…

「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ」の勉強(5)

「ピアノ・ソナタ第29番 Op.106」の続き。今回は基本的に問題提起にとどめる。近いうちに演奏し、その後、自分の意見を書いていきたい。 第1楽章 第210小節の音、および再現部直前の音についてはすでに書いた。そのほかの問題点としては以下の通り。 ・ 第2…

「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ」の勉強(4)

前回に引き続き、「ピアノソナタ第29番 Op.106」について。 第2楽章「スケルツォ」はアウフタクトで始まるが、1拍目に向かってcrescendoが指示されている箇所と、3拍目にアクセントが指示されている箇所がある。ここを見ると、かつて「交響曲第8番」のフィナ…

「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ」の勉強(4)

演奏はしばらく休むが、楽譜の調査は継続している。 ピアノ・ソナタ第29番 Op.106(ハンマークラヴィーア)は長大な作品である。初めて勉強したのは大学院入試の課題曲になったときだが、この時は第1楽章のみだった。修士課程修了演奏で全曲を演奏した時は、…

「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ」の勉強(3)

第27番ホ短調Op.90。この曲は中学生のころ勉強した。2楽章形式で、後期への過渡期という位置にある作品だと思う。 久しぶりで弾いてみると私の好きな曲であることを再確認した。2楽章制ということではOp.49、Op.54などにも例があるが前者は若いころの「ソナ…

「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ」の勉強(2)

3回目の全曲演奏(2回目と3回目は非公開で自分の勉強のため)は「告別」ソナタOp.81まで来た。 Op.57(熱情)では第2楽章の第2変奏まで、変奏の冒頭に拍子記号が新たに表示されているのは初めて見たことと、第62小節の和音が従来のものと違っている。 第1…

今後のクラシック音楽界

・・私が編集している某授業通信からの引用です(忙しすぎるためこの方法にしました)。新型コロナウィルスのためにいろいろ生活の変化が生じているこの頃、音楽界はどうなっているのでしょうか。コンサートはもちろん、コンクール、オーディションなどが軒…

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ」の勉強

大学院時代に一度全曲を学習してから、リサイタルで全曲を演奏。これは2003年から12年かけて行ったもので、自分にとっては大変充実した期間であった。「連続リサイタル」のプログラムについて考えたのちに、単にソナタを並べるだけではないプログラムの構成…

機械の操作

1996年、現在の職を得たときにまず行ったことは、ノートパソコンを購入したことだった。今後は絶対に仕事で必要になると思ったからである。 最初は秋葉原に行ったがどうも気に入るものはないしすべて高価だったので、いったん大宮(当時暮らしていた)に戻っ…

Maggiore/ Minore の標記

どちらもイタリア語で「長調」「短調」の意味であることはどなたも御存じのことであろう。 昨日、久しぶりでベートーヴェン「交響曲第3番”英雄”」を勉強し直したのだが、第2楽章の中間部でMaggioreと記されていることを考えてみた。この楽章は葬送行進曲 Ma…

演奏慣習について

標記について調べてみたいと思っている。 というのは、二つのことが気になっているから。ひとつは「ラフマニノフ流はただのクセじゃない」という間宮芳生氏の文章、もう一つは最近聞いたブルーノ・ワルター、そしてモーリッツ・ローゼンタールの演奏から考え…

パソコン

デスクトップ型のパソコンをお店で見なくなった。 高崎の Labi1 ではゲーム機として展示してあったほか「一体型」が多かったし、ケーズデンキでは1台も置いてなかった。これは驚きである。 1年半くらい前のことだが、それまで使っていたH社のパソコンが突然…

楽典(5)

スラーとタイについて。 スラーslurは「異なる音にかけてしるされた」弧線で、レガートに演奏することを指すものである。それに対しタイtieは「同じ高さの二つ以上の音符を切れ目なしに演奏する場合」の弧線を指す(石桁真礼生ほか『楽典 理論と実習』参照)…

最近の勉強

即興演奏について考えることがよくある。現代ではあまり習うことが無いように思うのだが、実は大事なことではないだろうか。 ただ、20世紀のさまざまな音楽を経験した現代、12音技法での即興演奏はほぼ不可能と思うし、ピアノの内部奏法、偶然性の音楽、など…

ピアノの「響き」

その昔、残響の多いホールが良いホールだと思っていた時期があった。というのは昔は残響がほとんどない(ような)ホールばかりだったからだと思う。ピアノリサイタルで良い音だと思ったのは東京文化会館(小)くらいで、多くのリサイタルはイイノホール、日…

「おのふじの憧れ」

表記のCDを演奏者ご本人から頂いた。小野富士さんは私の大学以来の友人だが、本名の「おのひさし」さんと呼ぶ人はなく、タイトルにあるような呼び方が定着している人である。東フィル、N響のヴィオラ奏者を務めたほか、指揮者としても定評がある。 今回のCD…

原風景

私が幼少期を過ごしていたのは新潟県の山間地である。父が教員を務めた最初の小学校がここにあった(現在は「交流センター」になっている)。 約1か月前のことだが、60年ぶりで行ってみた。 昔はバスも通っていないところだったらしいが、ご覧のようなバス停…

演奏の方法論

何時間演奏しても疲れない、どんな難技巧のパッセージも楽に弾ける、そんな弾き方ができれば素晴らしい。ピアニストはそれぞれ、疲れない弾き方を工夫しているはずだと思っている。 私の弾き方は昔から「体が動かない」ことが一つの特徴であったことはすでに…

ピアノ教本

エチュード研究と並行して、たぶん来年度に論文として書くことになる「初級ピアノ教本」について調べている。 私が子どもの頃は「バイエル」が多く、「メトードローズ」を使っている人はまだ珍しかった(地方のため?)。バイエル何番を弾いている、という言…

エチュード研究

当面はリサイタルの予定がなくなったので、今年度は論文を書くことにした。内容は大学での授業改善についてである。教育実践に関する論文は今までに「『ピアノ伴奏法』授業の変遷」「ピアノ実技におけるグループ指導について」の二つを書いたが、今回はその…

SNSの使い方

ある若者から勧められたことで、当初はなかなか良いかもと思っていたがやめてしまったことが二つある。ひとつは調律師のこと。もうひとつは FacebookというSNSのアプリである。 調律師は今まで何人もの人と付き合ってきたが、理想的な人はなかなかいなかった…

楽典(4)

楽語の話のつづき。 発想標語にもいろいろあるが、前回書いた大崎滋生著『音楽演奏の社会史』には、「レッジェーロ leggiero (軽い)という形容詞はあっても、レッジェロメント leggieromente という副詞はイタリア語にはない」と書いてあり、ショパンは自…

楽典(3)

アクセントとシンコペーションについては『音楽キーワード事典(東川清一・平野昭編著、春秋社)』が参考になる。 アクセントとはある音なり和音なりが強調されることを言うが、強調の方法には物理的なものと精神的なものがあると同書には書いてある。物理的…

楽典(2)

今回は楽語のお話。 最近は言葉に関する本がたくさん出版され、この言葉の本来の意味は、などと考える人がいて非常に良い傾向だと思う。たとえば関孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ共著『これで納得! よくわかる音楽用語のはなし』によれば、Allegroには「速い…

楽典(1)

音楽理論のことを普通のクラシック音楽業界の人々は「楽典」と呼んでいる。 この分野の勉強が好きだったのだが、一通りの知識ということで終わるのが通常であり、和声学や対位法の領域までは踏み込んで学ぶことはない。それらを学ぶときはまた別の教科書で学…

音楽の「読み書き」

当然そんなこと知っている、とは思っていても、いざその楽譜を書いてみようと思った時に「この記号の名前は何だっけ」等と考えてしまうことはよくある。 数年前、新宿を歩いていた時にある書店で「楽典・楽譜事典の決定版」という帯の付いた小さな本を見つけ…

歌詞の意味

音楽の授業で、とかく「歌詞の意味を考えてみよう」という内容に傾くあまり、肝心の歌唱をあまり行っていないという話を聞くことがある。 たしかに「歌詞の意味」を考えることでその曲を理解でき、共感して歌うことができるというのは分かるのだが、まるで国…

続・オンライン指導

6月中旬以降、対面での実技指導が各大学で徐々に認められるようになり、ようやく通常の実技指導はできるようになってきたようだ。マスク着用で席の間隔をあける、色々な所を消毒する、という点は以前とは違っているが、やはりオンライン(ZOOM)による指導に…

換気扇と除湿器

換気扇を24時間回しっぱなしにしましょう、という意見をよく聞くのだが、最近のように毎日雨が降る日が続くと、かえって外の湿気が入ってくるように思う。そんなことはない、という意見の人もいるようだがどうなのだろうか。 こんなサイトを発見した。 やは…