機械の操作

1996年、現在の職を得たときにまず行ったことは、ノートパソコンを購入したことだった。今後は絶対に仕事で必要になると思ったからである。

最初は秋葉原に行ったがどうも気に入るものはないしすべて高価だったので、いったん大宮(当時暮らしていた)に戻って駅前のソフマップに寄ったところ、シャープの「メビウス」という機種がなかなか良さそうだったので購入。40万円以上したと思う。それから「ウィンドウズ95」の学習となったのだが、それまでワープロ専用機を使っていた私にはわからない単語ばかりだった。理系の勉強をおろそかにしたからだと思う。

清水義範の小説で「取扱説明書」というものがあって、かつて「そうだよなあ」と思いながら読んだことがある。電気関係の取扱説明書、とくにパソコンのそれは、慣れていないとわかりにくいと今でも思う。

その後、自分なりにパソコンは使いこなせるようになったのであるが、そうすると面白いと感じる反面、この種の仕事が増えるということにもなってきた(なぜか?)。まあ仕方がないか、と思っているうちに「情報処理入門」という授業の一部を担当するようなことにもなり、電子メール、インターネット、ワープロ、プレゼンテーションなどを指導するというとんでもないことになっていったのである(現在は行っていない)。専門家でもないのにこんなことでいいのかなあ、と思ったのだが何とか数年間は担当していた。unix も学習し、 Telnet なども使うようになったのである。

であるから私は音楽関係の人間としてはこの種の機械にはわりと強い人間、と思われることもあった。しかし、年齢のせいだろうか、昨今のインターネット関係にはついていけないこともある。

4月からオンライン授業を行ったことはすでに書いたが、その時に ZOOM を覚えるのにはまことに苦労した。そうこうしているうちに、グーグルドライブだとかプロセルフ、ハングアウト、などの言葉を使う人が現れ、当初は何のことか全然わからない。何とか最近は理解することはできているのだが、最近こんなことがあった。

ファイルを提出してください、とあるのだが Web上で行うのだとのこと。マニュアルが送られてきたのだが「〇〇〇ファイルを選択して画面上部の”コピー”をクリックすると画面右側にコピー先を記入するためのパネルが表示されます」と書いてある。その通り実行しても”コピー”などでてこない。これはいったい何のことだろう、と思ううちに何日もたってしまった。

今日になってやっとそれがわかってファイルは無事に提出。原因は「選択」という言葉である。私はファイルの名前のところをクリックしたのだが、それだとファイルそのものが開いてしまい所定の操作ができない。実はファイルの左側にあるボタンをクリックすることだったのだ! これがわかるまでずいぶん時間がかかったのだが、実はその種のことに詳しい専門家にすぐ質問すればよかったと後悔している。連絡には「業者の作業が遅れているため現在入力できません」という紛らわしい言葉も書いてあったので、きっとそのためだという誤解も重なったのである。

これで「選択」という言葉に迷うことはないとは思うのだが、今後もこんなことが何度も起こりそうでやや心配なこの頃である。