今後のクラシック音楽界

・・私が編集している某授業通信からの引用です(忙しすぎるためこの方法にしました)。

新型コロナウィルスのためにいろいろ生活の変化が生じているこの頃、音楽界はどうなっているのでしょうか。
コンサートはもちろん、コンクール、オーディションなどが軒並み中止となることが続きましたが、最近は以下のニュースが報じられています。

  新型コロナウイルス対策のためのイベントの人数制限について、政府は観客が大声を出さないクラシックコンサートなどに限り、満席での開催を認める方針を固めました。
 新たな方針は11日に開催される専門家の会議で正式決定したうえで、連休の始まる19日にも開始する予定です。観客が大声を出す場面が少ないクラシックコンサートや歌舞伎などを対象に収容人数5000人を上限として満席での開催を認めます。そのほかのイベントは施設の定員の50%以内という制限を維持します。ライブハウスなどは引き続きこの制限の対象となります。一方、プロ野球など大規模イベントでも「50%以内」となるため、球場の規模によっては万単位で入場することが可能になります。(「テレ朝ニュース」より) 

交響楽団の演奏会の映像を見ていたところ(サン=サーンス「動物の謝肉祭」)、弦楽器奏者は全員マスクをして演奏していたのですが、ピアニストはマスクなしでした。率直に言って演奏家がマスクをして、という姿はあまり美しくないようにも思いますが、それでも演奏会が開催できることは良かったと思います。
クラシックの演奏会は聴衆が声を出すことはほとんどないため満席でも開催できるという方向になっていくのでしょうが、ある筋から聞いた話では開催者の考え方にはいろいろ温度差もあるのだとか。
先日、埼玉県某市で開催されたコンサートに出かけてみたのですが844人収容の大ホールで、限定100名というものでした。演奏は良かったのですが、コンサート会場はさすがに寒々とした印象でした。大勢の聴衆が入って多くの拍手があった方が演奏会らしい感じはします。
一番気になるのは(私も含めてですが)、これでクラシックの演奏会に出かけないというリズムが定着してしまい、何も時間とお金を使って演奏会に出かけなくても良いではないか、という風潮になることです。かつてグレン・グールドはコンサートからリタイアした際に「金を払ってくるはずの客は、自宅ではオーディオ、ラジオ、テレビの視聴者であって、そうした楽しみとプライヴァシーのために、とっくにコンサート・ホールを見捨てている」と言っています(ジェフリー・ペイザント『グレン・グールド なぜコンサートを開かないか』。

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グールドは1982年に50歳で亡くなりましたが、彼のこのような音楽に対する考え方は、現代で再度検証されるべき要素を持っているのかもしれません。
これについて今後、このコラムで掘り下げていく予定です。