習い方

昨年12月25日の投稿で書いたことだが、指導者から紹介されたという学習者以外、私は自宅でのピアノ指導をしていない。

それは、私が複数の指導者に同時に習うことができない人間だから、ということも理由の一つだからである。

高校3年生の頃だが、ある作曲家の先生にいろいろ音楽の指導を受けたことがあった。これは友人に誘われてのことであって、ソルフェージュ、作曲、編曲、楽曲分析などを仲間と一緒に習っていたのであるが、だんだん授業が進むにつれて、その先生はピアノの奏法についても意見を仰るようになったことを覚えている。結果、私は悩んでしまい、通常のレッスンでピアノの先生に「どうしたんだい」と言われるようになってしまった。その後こういう指導は受けないようになってしまったのだ。

この出来事から、複数教師に実技を同時進行で習うことは危険と考えるようになったのである。以前書いたように、先生から「この先生のレッスンを受けなさい」と言われる場合と大学での公開講座などは別の話。

もちろん、複数の指導を受けた方が性に合っている人もいるかもしれない。しかし、普通は生徒の側から指導についての疑問はなかなか言えないのであって、指導の内容が異なる時は、どちらを採用するかなどを考えてストレスになるのではないかと思う。

そういう「習い方」の例を何回か見てきたが、私は事なかれ主義(?)のため、基本的にはほとんど何も言わない。それは習う人たちの責任であろうと思うからである。

最近考えていることは、そういう、複数教師について勉強している人は全部を消化して学習することは難しいだろうということ。要領のいい学習者もいることであろうが、普通は難しいと思う。練習の時間的な問題が大きい。

演奏するのはそのご本人でしかない。その演奏がその人の音楽を表している。と考えると、種々の指導を数多く受けることより、自分で音楽について掘り下げて考えることの方がよほど大事である、と思うのだがいかがだろうか。もちろんこれは大人の(高校生以上)についてのことであろうが・・・

ところで、私のピアノの先生は、私が大学院を修了してからは「レッスンはしない」という考え方で、それゆえリサイタルの前などには「リハーサルを聴いてください」という形でご意見を賜ったものであった。ホールでのリハーサルも聴いてくださった(おまけにお昼ごはんもご馳走になった)。プログラムの作り方についても有益な意見を伺ったが、基本は私の考えを尊重してくださった。本当に感謝している。このような指導者に私もなりたいと思っている。